日本でクリスマスといえば
圧倒的にチキンを食べる人が
多いのではないでしょうか。
でも世界で食べられているのは
七面鳥かなあ…?
というイメージはなんとなくありますが、
実際世界では何がクリスマスディナーとして
食べられているのでしょう。
今回は欧米諸国を中心に何が食べられているのか
見ていきましょう。
またこちらの記事でも世界のクリスマススイーツについて
詳しく解説していますので興味のある方は是非ご覧ください。
世界のクリスマスケーキ8選!イチゴのケーキは日本だけ?【作り方動画付き】
目次
クリスマスディナーにはガチョウだった
七面鳥というと欧米諸国での
クリスマスディナーの鉄板メニュー
という印象ですよね。
しかし七面鳥は16世紀にスペイン人から
ヨーロッパに持ち込まれたのですが、
庶民が口にするまでには時間がかかりました。
七面鳥が気軽に食卓に上がるまでの間に
何を食べていたかというと
それがガチョウだったのです。
古くから鶏とガチョウはヨーロッパに住む
人々にとっては代表的な家畜で、
羽は布団やクッション、ペンの軸、
小さなクリスマスツリーにも利用され、
余すところなく使われていたのです。
その他にも魚やイノシシ、豚、ウサギ、鹿など
色々なものがヨーロッパ各国で
クリマスに食べられてきました。
ガチョウが七面鳥に変わった理由
ではなぜガチョウが七面鳥に
取って代わったのかというと、
アメリカに移住したヨーロッパ人が
クリスマスのディナーに食べる
ガチョウがアメリカにいなかったために
野生の七面鳥や鶏を代わりに食べたこと、
イギリスを中心に七面鳥が
ヨーロッパでもたくさん飼育され、
徐々に食用として出回るように
なってきたことがあげられます。
グリム童話にガチョウが登場する
お話が多いのは、
ガチョウがそれほど庶民にとって
身近な家畜だったからなんですね。
世界の伝統的なクリスマス料理
それでは世界の人々は
どのような料理をクリスマスに
楽しんでいるのか見てみましょう。
クリスマスのごちそうには各家庭の中でも
伝統や習慣があるので一概には言えないのですが、
このような例もあるんだなあ くらいの
気軽な気持ちで読み進めていただければと思います。
イギリスに伝わるクリスマス料理
イギリスではクリスマスクラッカーという
キャンディのように両端をねじってあるクラッカーを
開けた後に楽しみにしていた食事が始まります。
クリスマスクラッカーについてはこちらの記事に詳細を書きました。
世界各国のクリスマスアイテム13選!あなたはいくつご存じですか?
おおよそですが、前菜、メインディッシュ、デザートの
流れで食事が進んでいく家庭が多いようです。
ディナーはスパイスを入れて軽く煮出した
温かなワインであるモルドワインを飲んだり、
カナッペのような軽食から始まります。
前菜:スモークサーモンやプラウンカクテル(エビのサラダ)
メインディッシュ:ローストターキーやローストグースなど
七面鳥やガチョウ、カモなどをオーブンで丸ごと焼いた料理です。
海外のクリスマスディナーといえば
これをイメージする人も多いでしょう。
クリスマスに食べるロースト料理を
クリスマス・ローストとも言います。
中にリンゴや干しブドウなどの
詰め物をして焼き上げ、
グレービーソース(肉汁のソース)や
クランベリーソースをかけていただきます。
付け合わせには玉ねぎやにんじん、パースニップ(白ニンジン)、
ズッキーニ、パプリカ、芽キャベツなどを時間をかけて
ローストしたものを添えます。
特に芽キャベツのローストは
クリスマス料理には欠かせない野菜で、
寒さが厳しいこの季節には大切なビタミン源なのだそうです。
そしてメインディッシュのローストしたお肉料理は
イギリスの伝統的なクリスマス料理で、
家族や親戚が集まって
その一家の主がターキーを
みんなに分けて振舞います。
クリスマス以外にもイギリスには
日曜日のランチを家族で一緒に食べる
という習慣があります。
ローストビーフやローストポーク、ローストラム、
ローストチキンなどのローストしたお肉料理を
日曜のお昼に作り、その家のお父さんや主が
家族全員に料理を切り分ける というもので
これを『サンデー・ロースト』と呼びます。
クリスマスのメインディッシュ料理である
ローストターキーやローストグースにも
そのような食文化が根付いているようですね。
デザート:クリスマスプディング
イギリスのクリスマスの伝統的なお菓子である
クリスマスプディングはご存じの方も多いかもしれませんね。
お椀をひっくり返したような形状で
真っ黒い色をしているのがクリスマスプディングです。
たくさんのドライフルーツやナッツとパン粉、
スーイット(スエット)と呼ばれている牛や羊の腎臓の周りにある脂、
それにほんの少しの小麦粉から作ります。
それにスパイス、柑橘類の皮、黒ビールやラム酒、卵を混ぜて
『プディングボウル』という型に流しいれて、蒸しあげます。
クリスマスプディングはクリスマスである12月25日から
4週間前の日曜日からアドベントと呼ばれる
クリスマスの準備期間が始まります。
そしてさらにその1週間前の日曜日は
『ステア・アップ・サンデー』(かき混ぜる日曜日)
と呼ばれており、この日にクリスマスプディングを
作るのが伝統的な習慣なのです。
昔はクリスマスプディングをかき混ぜる際、
硬貨や指ぬき、指輪などを中に入れていました。
クリスマス当日に切り分けて食べる時に
プディングの中から出てきたもので
翌年の運勢を占っていたそうです。
クリスマスプディングを食べるときには
ブランデーをかけてフランベをしたり
温かいカスタードソースや
ダブルクリーム(牛乳から作られる乳脂肪分の高いクリーム)
をたっぷりかけて食べるのが一般的です。
そして食事の締めくくりにはチーズを食べます。
イギリスは意外にも酪農が盛んな国で、
乳製品が多くチーズの種類も豊富にあるためか、
甘いものを食べた後にはチーズを食べるのだそうです。
アメリカで食べられているクリスマス料理
アメリカでもクリスマスは重要なイベントです。
しかし多民族国家でもあるので
クリスマスをお祝いしない人たちもたくさんいます。
特に「Merry Christmas!」(メリークリスマス!)
という挨拶には注意が必要でしょう。
これはキリスト教徒の人々が使用するあいさつなので、
相手がキリスト教徒でない場合
失礼に当たるのです。
しかし挨拶をする相手の信じている宗教を
確認するというのも大変ですよね。
なので「Happy Holidays!」(ハッピーホリデーズ!)
と言います。
アメリカでは特定の宗教に偏りがあるのは平等ではない、
という理由でニュースキャスターや司会者なども
「Happy holidays!」を使っています。
そんなアメリカは広大でたくさんの人が住んでいるため、
地域や州、宗教によってクリスマスに食べるごちそうも
バラバラなのですが、一例を紹介したいと思います。
クリスマスによく食べるディナーとしては
メインディッシュのお肉、簡単なじゃがいも料理や豆料理、
最後にデザート というのが一般的で、
南部では飲み物にエッグノックやクリスマスパンチ、
シャンパンなどがよく飲まれているそうです。
エッグノックとは卵、牛乳、砂糖にシナモン、
ナツメグなどを混ぜて作るドリンクです。
日本ではたまご酒やミルクセーキなどと言われることもあります。
アルコールが入っているものをエッグノック、
ノンアルコールのものをミルクセーキと呼びます。
エッグノックにはブランデーやラム酒などが入っており、
ミルクセーキにはバニラエッセンスを入れたりもします。
温かいものも冷たいものもどちらも作ることができ、
アルコールを入れたり入れなかったりできるので
子どもから大人まで幅広く楽しむ事ができます。
パンチは、ワインをベースにラムや
オレンジキュラソーなどのリキュールを混ぜ
フルーツやハーブを入れて大勢でシェアして飲む飲み物です。
パンチボールと呼ばれる大きなボール型の器に入れて飲みますが
ピッチャーで作られる場合も多いようです。
クリスマス用のパンチは決まった作り方があるわけではないのですが
クランベリーを使ったものが多く、
クランベリーと相性の良いオレンジジュースもよく使用されます。
砂糖で味を調節したり、ローズマリーを上にのせたりして
クリスマスらしく飾り付けます。
メインディッシュ:ローストビーフ、高級ハム、鶏の丸焼きなど
アメリカではクリスマスに七面鳥を食べる人もいるのですが、
ローストビーフやハムをメインにする人も多いようです。
これは11月の第4木曜日の感謝祭(サンクスギビングデー)に
七面鳥を食べる習慣のある人が多くいるからでしょう。
何をメインに食べるかは各家庭によって異なりますが、
大抵は大きな塊のお肉をオーブンで焼く料理です。
ハムも日本のようなものではなく、
大きな塊を焼いて2~3センチほどの厚さに切り、
ステーキのようにして食べます。
サイドディッシュもこれと言って決まっている料理はありません。
ハッシュドポテトやベイクドポテト、
じゃがいものグラタン風などのじゃがいも料理と
人参やいんげんのソテーやグリーンビーンズのキャセロール
(陶器やガラスの器に入れてオーブンで焼く料理)などの
豆料理や野菜料理がよく登場するそうです。
デザート:パイやクッキー、フルーツケーキなど
アメリカはデザートにもクリスマスの伝統料理は
特にありません。
クリスマスケーキも食べないのです。
では何をデザートに食べているのかというと
アップルパイや、パンプキンパイ、フルーツケーキ、
チョコチップクッキーやクリスマスのクッキーなど
それぞれの家庭の味のお菓子を楽しみます。
そしてアメリカではクリスマスといえばクッキーという
イメージが強くあります。
クリスマスのクッキーは雪だるまやクリスマスツリー、
ベル、星などクリスマスを連想させる形で
表面にはアイシングで飾りつけがされています。
他にもピーナッツバターの風味とキスチョコを
トッピングして作ったクッキーである
ピーナッツバターブロッサムや
シナモンやナツメグ、生姜などのスパイスを入れて
人型にして飾り付けたジンジャーブレッドマンクッキー、
バターの風味豊かなサクサクとしたショートブレッド
などがあります。
クッキーは長期保存ができることと、
ケーキよりも持ち運びしやすいために
クリスマスのスイーツとして好まれているようです。
フルーツケーキも定番のお菓子で、
クリスマス時期になると贈りあったりするので
各家庭に2,3個のストックができるのもよくあることとか。
しかも残念なことにこのフルーツケーキ、
子どもや若い人たちの間ではあまり人気がないようです。
洋酒をたっぷりしみこませたドライフルーツに
茶色く焼きあがったその姿は
あまり食欲をそそらないそうですよ。
これらに共通する点というと
大皿料理でみんなで取り分けることができることでしょうか。
家族や親戚、友人が集まってにぎやかに
おしゃべりを楽しみながら食事をすることが
重要視されているようですね。
ドイツやその他周辺国で食べているクリスマス料理
ドイツでもクリスマスに食べる伝統料理というものは
多くありません。
それよりも各家庭で培ってきた習慣や伝統を重んじ、
クリスマスの料理にもそれが反映されています。
クリスマスのごちそうを食べる日も
24日の晩に食べる家庭、25日のお昼に食べる家庭など
バラつきがあります。
飲み物は大人はグリューワインと呼ばれる
ワインをベースにしてスパイスやシロップをいれて
飲む温かいワインを飲み、
子どもたちはキンダープンシュという名前の
ぶどうジュースに砂糖や香辛料を加えて温めた飲み物や
アプフェルプンシュというりんごジュースをベースにした
温かい飲み物をよく飲みます。
グリューワインは基本的には赤ワインがベースなのですが、
最近では白ワインやロゼがベースのものもあり
すっきりとして飲みやすく作られています。
メインディッシュ:ローストグース、カルプフェン・ブラウ
グースとはガチョウのこと、つまりガチョウの丸焼きで
クリスマス・グースとも呼びます。
リンゴやクルミなどを中に入れてオーブンで焼きます。
特に北ドイツのあたりでは
ガチョウがクリスマスのごちそうとして
定着する以前の一般家庭では
鯉がクリスマスに食べられていて、
今でもクリスマスの食卓に鯉を食べる家庭もあります。
カルプフェン・ブラウとは鯉を使った
料理のことを言います。
昔は肉よりも魚が高級品であったことや
魚を食べると運気が上がる など
魚は縁起の良い食べ物だったのです。
カルプフェン・ブラウは
下処理をした鯉に
香味野菜やワインビネガーを使った
スープをかけてマリネしたり、
煮たり、焼いたり、揚げたりする料理です。
この他にもウサギ料理や豆のスープなどを
クリスマスに食べるという地域もあります。
サイドディッシュ:じゃがいも料理、キャベツ料理など
サイドディッシュにはじゃがいものパンケーキ
(地域によって名前が異なる)や
じゃがいもを使って作るお団子のようなパン、
キャベツの酢漬けであるザワークラウト、
アルザス地方というドイツ南西部と
フランスの国境の近くが発祥の薄いピザのフラムクーヘン、
マッシュルームの煮込みなど実に様々です。
ドイツは農業が盛んですが地域によって農産物が異なっています。
北部では麦やじゃがいもなどが作られており、
中南部では酪農が主に行われているので
食べられているものも地域によって異なっているのが
伝統的な文化なようです。
デザート:レープクーヘン、シュトレン、
アプフェルシュトゥルーデル、キルシュトルテなど
海外のクリスマスに食べるお菓子と
日本のクリスマスケーキとで違う点は
日本のケーキは柔らかなスポンジとクリーム、
果物などで美しく飾られているために
日持ちがしないのに対して
海外のクリスマスのお菓子は
クリスマスの数週間から数日前に作るので
ドライフルーツやナッツ、洋酒などをたっぷりと効かせて
クリスマス当日まで日持ちがする点でしょう。
ドイツのクリスマススイーツもこれに当てはまります。
レープクーヘンはドイツを中心に中央ヨーロッパで
作られている薄くて平べったい形のクッキーの名前で
はちみつやスパイス、柑橘類の皮、チョコレート、
ナッツ類などが入っています。
中にジャムなどが入っている場合もありますが、
多くはアイシングやチョコレートでコーティングされており、
クリスマスに飾ったりもします。
シュトレンはドイツで最も有名なクリスマススイーツで、
オランダやデンマークでも食べられています。
シュトレンは15世紀ほどから作られている
伝統的なクリスマスのお菓子で
表面にバターをたっぷりとしみこませ、
ラム酒などの洋酒とドライフルーツやナッツが中に入って
粉砂糖がまぶしてある楕円形のような形をしています。
シュトレンはアドベントの始まりから
薄くスライスして少しずつ食べ、
クリスマスが近づくのを楽しみながら待つ料理です。
他にもアプフェルシュトゥルーデルという
ドイツとオーストリアで食べられている
アップルパイのようなお菓子や
キルシュトルテと呼ばれている
洋酒に漬けたサクランボとチョコレートのスポンジに
生クリームでデコレーションしたケーキも
デザートとしてよく食べられてるようです。
しかしアプフェルシュトゥルーデルとキルシュトルテは
クリスマススイーツというわけではなく、
日常的にも食べられているデザートと言えるでしょう。
イタリアの伝統的なクリスマス料理
イタリアではクリスマスのことをナターレと言い、
カトリックが国民の80%を占めるキリスト教国家です。
そんなナターレはイタリア国民にとって
とても重要な宗教的行事であり、
家族や親戚が集まって待ち望んだクリスマス料理を食べるのです。
イタリアはクリスマス料理もコースで登場することが多いです。
基本的には前菜のアンティパスト、
ファーストディッシュのプリモ・ピアット、
セカンドディッシュのセコンド・ピアット(メイン)と
つけ合わせのコントルノ、最後にデザートのドルチェですが
プリモ・ピアットやセコンド・ピアットが
2品用意されることもあります。
イタリアも地域によって伝統や料理が異なり、
中部や南部はクリスマスイブである24日夜のディナーを重視し、
北部は25日の昼にごちそうを食べる傾向があるほか、
24日は魚料理を食べ、25日には肉料理を食べるという伝統もあります。
飲み物はイタリアのホットワイン、
ヴィン・ブリュレをクリスマスの時期には飲みます。
これはワインにシナモンやナツメグなどのスパイス類、
砂糖を入れて煮たホットカクテルの一種で、
イタリアではこれを飲むと風邪をひかない
とまで言われている温かいドリンクです。
アンティパスト(前菜):アフェッターティ、フリット、
ブルスケッタ、カルパッチョ、カプレーゼなど
アフェッターティは生ハムやサラミ、チーズ類の盛り合わせのことで、
他にも前菜だけでもたくさんの種類があります。
アーティチョークのフリット(揚げ物)、
バケットにニンニクやオリーブオイルを塗り、
トマトとその他好きな具材を乗せて食べる軽食のブルスケッタ、
薄くスライスした生の牛ヒレ肉にチーズやソースを
かけて食べるカルパッチョ、
トマトとモツァレラチーズを1cmほどにスライスし、
バジルを散らしてオリーブオイルと塩コショウで食べるカプレーゼなど
これらは代表的なイタリアの前菜と言えます。
プリモ・ピアット(ファーストディッシュ):
トルテッリーニ、カンネローニ、ラヴィオリ、ラザーニャなど
イタリアのコース料理はここからが始まりと言われています。
プリモ・ピアットの多くがパスタ料理かリゾットなどの
米料理、たまにスープ料理が登場します。
パスタ料理の種類も地域によって大きく違いがあります。
例えばトルテッリーニはボローニャ地方が発祥で
正方形のパスタの中に詰め物をして三角形に折り、
それをくるりと指輪のような輪っかの形にします。
中の詰め物は豚肉やハム、パルミジャーノチーズを混ぜたものを入れて
ソースを絡めたりスープに入れたりして食べます。
カンネローニは薄く伸ばして筒状にしたパスタに
詰め物をして焼いたものです。
詰め物は各家庭によってレシピが違いますが
ほうれん草とリコッタチーズや肉のラグーが代表的で
トマトソースやベシャメルソースをかけて
オーブンで焼き上げる場合もあります。
ラヴィオリはイタリア北部でよく食べられており、
薄く伸ばしたパスタ生地に肉や野菜、チーズなどを
少量ずつのせてから別のパスタ生地で挟んで
四角形などの形に切り分けてゆで上げます。
粉チーズやトマトソースをかけて食べたり
スープにいれて食べたりと様々な楽しみ方ができます。
そしてラザーニャは日本でもラザニアとして有名ですね。
ボローニャだけでなく、ローマやナポリの名物料理でもあり
各家庭でも色々なラザーニャがありますが
基本的には平たく薄い板状にしたパスタ生地を
ミートソースとチーズソース、ベシャメルソースなどと
交互に重ねて焼き上げる料理です。
セコンド・ピアット(メイン):肉や魚のローストや
煮込み、うなぎ料理など
イタリアでもメインディッシュはやはりロースト料理です。
子羊やビーフ、ホロホロ鳥、カッポーネなどを
丸ごとローストしていただきます。
カッポーネとは鶏の雄を去勢し、
まるまると太らせた高級食材のことで
その丸焼きや煮込み、スープにしてを食べる地域は多くあります。
他にもイタリアのクリスマスの伝統料理は多く、
北部、中部、南部ともにたくさん存在します。
そして少し意外ですがうなぎを食べたり、
バッカラと呼ばれるタラの塩漬けなどの
魚料理もクリスマスディナーとして
食べられているそうです。
ドルチェ(デザート):パネトーネ、パンドーロ、
パパッシーニ、チャンベリーニ
イタリアのクリスマスに食べられるお菓子と言えばパネトーネ。
ミラノ発祥の銘菓でブリオッシュという甘いパンのような
生地の中にラム酒に漬かったドライフルーツや
オレンジピールなどの柑橘類がたくさん入ったものが
一般的ですがチョコチップが入ったものもあります。
パンドーロはヴェローナ地方発祥で別名『黄金のパン』
と呼ばれており、星型で背が高く、表面はこんがりとしていますが
中は金色できめ細かなスポンジのようです。
表面にバニラの香りのする粉砂糖をまぶして食べます。
そしてイタリアのマンマが作ってくれる
クリスマススイーツといえば、
パパッシーニやチャンベリーニと呼ばれるクッキーです。
マンマの味だけに、地域や家庭によって呼び方や
レシピが異なります。
パパッシーニはレーズンが入ったアイシングクッキーのことです。
サルディーニャ島伝統のお菓子で
クリスマスにも食べますし、そうでない時にも食べます。
干しブドウやナッツ、シナモンなどのスパイスと
柑橘類のピールが入ったクッキー生地に
粉砂糖で作ったアイシングをして出来上がりです。
チャンベリーニはローマ周辺でよく食べられている
ドーナツ型のビスケットのようなお菓子です。
スーパーマーケットや食材店などでも販売されており、
気軽に購入することができます。
卵やバターを使わずに作り、赤ワイン味や
白ワイン味、ヘーゼルナッツ、ココアなどの
珍しい味のラインナップがあります。
パネトーネやパンドーロもクリスマス当日にだけ
食べるものではなく、クリスマス前から年末にも
食べるのが一般的です。
フランスのクリスマス料理一例
フランスはカトリック教徒が人口の90%を占めているため
クリスマスはもちろん大事な宗教的イベントです。
そして食事を大切にするフランス人たちは
クリスマスの食事を5~6時間ほどかけて楽しみます。
クリスマスイブの夜には『レヴェイヨン』と呼ばれる
ディナーがあり、夜通し食べたり飲んだりするのです。
アペリティフ(食前酒):おつまみとシャンパン
フランスにはアペリティフ(アペロ)という習慣があり、
食事前に食前酒と軽いおつまみを食べます。
ノエル(フランス語でクリスマス)には
牡蠣やホタテ、チーズなどを手か爪楊枝で
食べられるように準備し、
シャンパンを軽く飲んで胃袋を開けて
食事をする準備を整えるのだそうです。
フランス料理もまた色々な種類の
クリスマス料理がありますが、
以下はほんの一例となります。
前菜1:エスカルゴ、ムール貝、ホタテ、エビなど
エスカルゴのオーブン焼きやホタテ貝のグラタン、
エビのサラダやスモークサーモン、
テリーヌなどフランスの前菜で定番の品々で
食卓を彩ります。
前菜2:フォアグラ、パン、ワインなど
日本でも高級食材として有名なフォアグラ。
私たちはステーキの上に乗せたり、
軽くソテーしたものを食べる機会が多いですが
フランスでは火を通さずにそのままいただきます。
このフォアグラと相性の良いのがデザートワインと言われている
普通のワインよりも甘い口当たりのワインとパンです。
パンはイチジクを練りこんだものやライ麦パンに
イチジクジャムを合わせて食べるのが
おいしいフォアグラの食べ方なのだそうです。
前菜3:生牡蠣
フランスでは牡蠣と言ったら普通は生の牡蠣のことを指し、
レモンを絞ったりビネガーをかけて食べます。
メインディッシュ:ローストターキー、ウサギや鹿のロティなど
日本では住宅事情もあり、大きなオーブンが家にあることは
あまりありません。
しかし海外にはそんなオーブンがキッチンに設置されている
家庭が多くあります。
フランスでもそんな文化があるため、
クリスマスの特別なごちそうには
鶏よりも大きく肉厚で、味がしっかりと感じられる
七面鳥をローストする家庭が多いのです。
その他にもフランスではジビエを食べる習慣があるので
クリスマスのメインとしてウサギや鹿のグリルやロースト料理が
出されることもあります。
デザート:ビッシュ・ド・ノエル
フランスのクリスマスケーキと言えばやはり
ビッシュ・ド・ノエルでしょう。
ケーキ屋さん、パン屋さん、スーパーの冷凍食品コーナー、
クリスマス時期になるとあちこちの店頭に
このビッシュ・ド・ノエルが並びます。
ビッシュ・ド・ノエルは毎年手作り と決めている人も多く、
シャンパンと合わせて食べます。
そして最後にはエスプレッソと一口サイズの
高級なチョコレートを食べて全ての食事が終わります。
まとめ
海外でのクリスマスのごちそうというと
七面鳥の丸焼きのイメージが強くあり、
確かにアメリカやヨーロッパ諸国で
ローストターキーが食べられている国も多くありますが、
ヨーロッパで昔よくクリスマスディナーの
メインディッシュに食べられていたというものは
実はガチョウだったのです。
七面鳥は当時アメリカに渡ったヨーロッパ人たちが
ガチョウの代わりとして食べたり、
イギリスを中心に家畜として飼育数を
増やしていった後に
徐々に庶民の口にも入るようになったのです。
クリスマスの伝統料理は
住んでいる国や地域によって異なりますが、
家畜として飼っていたものや
住んでいる地域で収穫しやすい肉や魚、
又は普段食べれない高級食材を使用して
料理することが多くあるということが分かりました。
世界にはクリスマスを色々な料理で
お祝いする習慣がありますね。
私はカッポーネのローストを食べてみたいと思いました。
クリスマスシーズンになると
これらの食材はたくさん売買され、
大量に消費されますが、
同時に脂がのって
一番おいしい時期でもあるようです。
あなたはどの国の料理に
一番興味を持ちましたか?
歳を重ねると年々脂ののった料理が
食べられなくなるのですが、
せっかくのクリスマスですので
おいしい料理を存分に楽しみたいと思います!