2月2日のキャンドルマス…
それは大好きなクリスマスシーズンが終わることを意味します。
あなたはキャンドルマスというキリスト教の祝日をご存じですか?
クリスマスシーズンに区切りをつける日は
人や国、思想によって様々あると思いますが
キリスト教でキャンドルマスというと
この日を境にクリスマスシーズンを終える という人も
まだたくさんいるようです。
しかしこのキャンドルマス、
あまり現在の日本ではなじみが薄いですよね。
今日はそんなクリスマスシーズンに終わりを告げる
キャンドルマスについてお伝えしたいと思います。
目次
〇クリスマスシーズンが終わるキャンドルマスって何?
キャンドルマスとはルカによる福音書2章22~40節に基づき、
イエス・キリストが誕生してから40日後に母である聖母マリアが
エルサレムの神殿に幼子イエスを連れて行き
神に捧げたことを記念する日です。
6世紀頃から聖母マリアがイエスを身ごもり、出産し、育てたという
信仰と献身を称える、『聖母マリアの清めの祝日』とされました。
地域によって行われる行事内容は様々ですが、
聖母マリアの信仰とイエス・キリストの誕生、
冬の終わりと春の訪れを告げる日として祝われてきたのです。
日本では聖燭祭(カトリック)や被献日(プロテスタント)とも呼ばれ、
教会でろうそくに火を灯したり、礼拝を行ったりします。
〇なぜキャンドルマスが祝われるの?クリスマスとの関係は?
キャンドルマスを祝うポイントは『光』です。
イエス・キリストの誕生と長く厳しい冬が終わりを祝うシーズン、
両方に共通しているのが光なのです。
ルカによる福音書2章32節によって、
2月2日のことを『異邦人を照らす啓示の光』と呼ばれているために
この日は光がテーマとなっています。
つまりイエス・キリストが『世界の光』であることを祝っているのです。
そしてろうそくを灯すことで冬の闇を払い、
春の『光』を呼び込む日でもあるので
クリスマスシーズン最後の祝日にもあたるのです。
そしてこの日をもってクリスマスの装飾品はすべて外し、
緑樹も燃やして区切りをつける というのが習わしだそう。
〇どうやってキャンドルマスを祝うの?クリスマスの終わり方って?
キャンドルマスのお祝いの仕方は国や地域などによって変わりますが、
光の象徴であるろうそくを灯して行列を作ったり、
お祈りをしたり、伝統料理を食べたりする地域が多く見られます。
・フランス…クレープを食べる
①クレープは丸い形をしているので、太陽や生命の象徴、
また聖母マリアとイエスへの祝福や豊穣の象徴とされてきました。
②クレープに使われる小麦粉や卵は生命の力を持つと考えられていました。
そのため、クレープを食べることで、春の訪れと豊作を祝っていたのです。
③キャンドルマスはキリスト教の祝日であると同時に
庶民の楽しみの日でもありました。
人々はキャンドルマスの日に集まってクレープを焼いたり食べたりして、
楽しい時間を過ごしていたのです。
クレープは手軽に作れる料理であり材料も比較的安価でした。
そのため庶民の間でも広く親しまれていました。
④フランスではキャンドルマスにクレープを食べる際に、
以下のような習慣があります。
クレープを最初に裏返せる人が、その年幸運に恵まれると言われている。
クレープを片手に金貨を握り、もう片手でクレープをひっくり返すと、
金運がアップすると言われている。
クレープを家族や友人と分け合って食べると、仲良くなれると言われている。
これらの習慣は、地域によって多少異なる場合があります。
・ドイツ:ろうそく行列やろうそくの祝福を行い、持ち帰る
①キャンドルマスは、イエス・キリストが「世界の光」であることを祝う日です。
そのため、ドイツでは多くの地域で、ろうそく行列が行われます。
ろうそく行列とは、人々が手にろうそくを持って教会に集まり、
聖歌を歌いながら町を練り歩きます。
ろうそくの灯りは、イエス・キリストの光を象徴しています。
②教会ではキャンドルマスに聖燭(ろうそく)の祝福が行われます。
聖燭は一年間を通して病魔や災厄から人々を守るものとされています。
信者は聖燭に火を灯し、家の中に持ち帰って飾ります。
③キャンドルマスはキリスト教の暦では復活祭までの準備期間である四旬節の始まりでもあります。
しかしドイツでは四旬節に入る前にカーニバルと呼ばれるお祭り騒ぎが盛んになります。
キャンドルマスはカーニバルの幕開けを告げる日でもあるのです。
④ドイツの地域によってはキャンドルマスに伝統的な料理を食べる習慣もあります。
ベルリン: シュマルツクッヘン(揚げ菓子)
バイエルン: シュトゥッベン(ジャガイモ料理)
ザクセン: キューゲル(パンケーキ)
これらの料理は、地域によって様々なバリエーションがあります。
このように、ドイツではキャンドルマスを様々な方法で祝っています。
またドイツでキャンドルマスは祝日ではありませんが、
多くの地域で学校や会社が休みになります。
〇まとめ
他にもスペインやフィリピンなどキリスト教圏である
各国、各地域で様々な行事が行われますが
・聖母マリアの信仰と献身を称える
・イエス・キリストが世界の光であることを祝う
・冬の終わりと春の訪れ
・クリスマスシーズン最後の祝日
であることはどこも変わりがないようです。
特にフランスのクレープにまつわる話は
どことなく1月6日のエピファニー(公現日)に食べるお菓子の
ガレットデロワやイギリスのクリスマスプディングに
似ているような気もしますね。
クリスマスシーズンがこれで終わってしまうのは寂しいのですが、
クリスマスツリーを出して年越しをしてしまった!
と嘆くあなたも今年は「でも2月2日があるし」と
少し気が楽になるのではないでしょうか?